【1分でわかる】ギリシャ危機PART3。絶体絶命。
ここ数日、ニュースで大きく取り上げられる、ギリシャ問題。
このコラムでも、ギリシャ危機について過去2回解説を行いました。
今回はこの続きで、6月に入ってから、迫る金融支援の期限と、ギリシャ国民からの反緊縮の声に板挟みになり、もがくギリシャについて解説します。
迫りくる期限
EU会議室
「ちーす!社長。なんなの、急に呼び出して。俺だって曲作りやなんやで忙しいんだぜ。
お、なんだよ。French(フランス)の二人とGermany(ドイツ)のソーセージ連中もいるじゃねぇか」
「まあ、かけたまえ。Greece(ギリシャ)」
「お、おう。(何だよ一体、空気重てぇな。)」
「早速だが、ギリシャ君。うちの事務所がキミに行っている支援が、今月末で一応の期限を迎えることはわかっているね」
「そりゃ、もちろん。でも、俺も頑張ってんだけど、なかなか名曲ってのは生まれないもんでさ。『アイ・ラヴ・ユー、エーゲ』が出来た時みたいに、ぱっと空から曲がふってくりゃいいんだけどさ!」
「頑張っているか。。。フン。話は聞いているよ、ギリシャ。相変わらず酒びたりになってるそうじゃないか。しかも、うちのライバルであるロシアにも顔を出しているとか。。。」
「(ヤベェ!ばれてる)え、何言ってんの社長ww。あれはロシアがどうしても会いたいっていうから、仕方なくだぜ。
ギリシャ的にはノーよ!もちろんノーよ!アイ・ラブ・EU、OKに決まってんじゃん!」
「フン。まあいい。とにかく、期限である今月末までに、アルバムが完成出来ない場合は、うちとしても支援を延長するわけにはいかない。」
「こ、今月末までにアルバムは、ちょっと厳しいつーか、何つーか。。。」
フランスとドイツ
「キミも知ってのとおり、うちの売上はフランスとドイツの2バンドの売上に支えられている。これ以上彼らの売上を、キミの支援に回すわけにはいかんのだ。なあ、フランス、ドイツ」
フランス(男)「ギリシャさん、僕らはギリシャさんのことを尊敬していますし、出来ることならずっとEUに残って欲しい。でも、今のままのギリシャさんだと。。。」
フランス(女)「ギリシャさん、実は私たちも最近アルバムの売上が落ちてきて苦しいの。でもギリシャさんが真面目に曲作りしてくれるなら、私たち応援するから」
「お、おう。いや、まあ頑張ろうとは思ってるんだけど。。。」
ドイツ「おい、ギリシャ。俺らが苦労して作った曲の売上が、テメーみたいな馬鹿の借金返済に使われると思うと、ビールがクソまずくなるんだよ!でも、まあ、テメーみたいな馬鹿でもEUを抜けられると、EUの株が下がって困るみてーだからよ、酒なんか飲んでねえで、とっとと曲を作りやがれ!」
「なんだテメー!俺にとって酒とロックが全てなんだよ!酒も飲まねーで曲が作れるわけねーだろーが!!とにかく、酒を辞めるなんて絶対無理だぜ!!」
EUの決断
「ギリシャ。キミはまだ自分がおかれている立場を理解出来ていないようだな。私は本気だよ。今月末までにアルバムが完成出来ない場合は、即、キミへの援助は打ち切りだ。」
「いや、社長、ちょ、まって。ほら、やっぱ俺ってセックス・ドラッグ・ロックンロールのイメージで売ってんじゃん? みみちい生活してたら、ベイベー達が許してくんないのよ。あ、ベイベー達ってのは、俺のファンのことね。
あ、そうだ。俺いいこと思いついちゃった!ベイベー達に真面目で節約家のギリシャがいいか、今まで通りの破天荒でロックなギリシャがいいか、投票で聞くってのはどう? ナイスアイデアじゃん!これ。だからさ、ファン投票で俺の路線が決定するまで、支援を延長してくんないかな?」
「ギリシャ。キミにはつくづく失望したよ。ファン投票は好きにすればいい。ただし、ファン投票で今までの路線を貫くと決定した時、どうなるかわかっているんだろうね。それこそ、ファンの手前、二度と節約制約をしながら我々の支援を受けるということは、出来なくなるんだよ。
そうなれば、ギリシャ。もうキミはEUにはいられなくなるだろう。ドラクマ?だっけ、キミが昔いたインディーズレーベルは。そこに戻るのは勝手だが、このご時世、インディーズレーベルで一体どれだけCDを売ることが出来るんだね。
確かに、キミにEUを抜けられると、うちも株価が下がり打撃を受ける可能性はある。だが、もう私もある程度の覚悟はできているよ。
とにかく、支援は今月末で打ち切る。
じゃあ、フランスもドイツも、忙しい所悪かったね。帰ってくれて結構。」
(やべー!!!!社長マジじゃん。どうする、どうする、どうする、どうする。今度ばかりはマジでやべえぇぇぇ!!!)
次回、絶体絶命のギリシャに奇跡は起こるのか!?「運命の日」お楽しみに!
ギリシャ問題、6月の時系列
6月初旬
ギリシャの財政再建を支援・監視している、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の三者により構成される「トロイカ」による金融支援の延長期限である6月末が迫る。
6月中旬
ギリシャ債務問題について、ギリシャとトロイカによる協議が重ねられるが、トロイカが要求する一段の年金削減などを拒否する姿勢をギリシャが変えず、物別れに終わる。
6月下旬
トロイカから要求される緊縮策と、それに反対するギリシャ国民の間で、板挟みになったギリシャのチプラス首相は、緊縮策を受け入れるか否かの是非を問う国民投票を7月5日に実施することを表明。
6月末の延長期限を数日間延長することを債権団に要求するが、ドイツなどが猛反発し、EUはギリシャの延長要求を受け入れず、6月末の期限で予定どおり支援を終わらせることを発表。
ギリシャのデフォルト、ユーロ離脱の可能性が強まる。
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