再び、富裕層向け雑誌が送られてきた。
以前こちらのコラムで、何故か我が家に『富裕層向け』の雑誌が送られてきたことについてお話ししました。
そして、先日、再びその『富裕層向け』雑誌の最新号が送られてきました。
何度も言うように、我が家は毎月のやりくりにすら頭を痛め、ブルーな気持ちになっている層であり、富裕層というより『ブルー層』なわけです。
ただ、『富裕層向け』の雑誌が送られてくるということについて、ホントの所、悪い気は全くしていません。
「んふふ、『富裕層』。なんたる甘美な響き。選ばれしモノだけが読むことの出来る雑誌が我が家にも送られてくるということは。そう、つまり私もまた特別な存在!」
パンパン(手を鳴らす音)
「これ、セバスチャン。ヴェルタースオリジナルをここへ」
と、小芝居を打った後、昨日嫁から「プッチンプリン買って来い」とパシらされたついでに買ったヴェルタースオリジナルを舐めながら、『富裕層向け』(うーん、何度も言いたいこの響き)雑誌をペラペラめくって、ひとときのお金持ち気分を味わっていました。
で、最新号の特集はというと、『アウトドア特集』。
そのトップに書かれているポエムが、
私はいつでも、形から入る。
不必要にハイスペックで、誰もが振り向く美しい道具たち。
そんなモノたちに強く惹かれてしまう。
性能もデザインも優れた一流のギアが欲しい。
都会人のアウトドアライフはモノ選びから始まるのだ。
「。。。お、おう。やっぱ、いけすかねぇ。。。」
なんだ、この強烈な拒絶反応は。根っから貧乏に染まってしまったものが、畏れ多くも富裕層様と価値観を共有しようなどとしたことが、そもそも間違いだったのか。
僕は20代の頃はバイクの後ろにテントと寝袋を積んで、いろんな所を旅して回りました。十数日程かけて、奈良からずーと西へ進み、九州を一周したこともあります。
僕にとってのアウトドアとは、必要最低限の荷物だけもって、足りない物は現地で調達。その不自由さと自由さこそが、アウトドアの醍醐味だと思っています。
だから、10万円のテント、100万円する電動アシスト付きのロードサイクル、30万円の小型オーディオなどを、アウトドア特集として紹介されても、
「なんでやねん!んなモンもってキャンプするぐらいなら、高級旅館でも行け。」
といちいちツッコんでしまい、優雅に富裕層気分を味わうどころか、
「ハァハァ、富裕層。やっぱ、恐ろしい奴やで。」
と脇汗びっちょりになりながら、富裕層様の巨大な影に怯え、額の汗をぬぐうことになるのでした。
そういえば、この前テレビでやっていた、高級キャンプ用品『スノーピーク』の特集でも、ある客のレジでの支払い総額が30万円というシーンがありました。
客であるその男性曰く
「いやー、見ていたら全部欲しくなっちゃって。どうせだし、全部ここの商品でそろえようかなって(笑)」
と、サラッと爽やかな笑顔でインタビューに答えているのを、安い紙パックの焼酎を飲みながら、
「ほー、若いのにテーしたもんだ。あるとこにはあるもんやのぉ。」
と鼻をホジホジ。
あ、デカいの取れたと嫁に見せては、「あほか!」と頭をはたかれ、
まあ富裕層には程遠いが、今でもソコソコ幸せだし、別にいっか。
と思った次第です。はい。
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