【1分でわかる】ギリシャと日本の違い。日本の借金は大丈夫?
過去3回ロックバンドに例えて、ギリシャ危機の解説を行いました。
ただ、ギリシャと同様に多額の借金を抱える日本。
ギリシャがヤバけりゃ、日本もヤバいんじゃないの??
そんな疑問について解説します。
なぜギリシャの借金が膨らんだのか
まず、ギリシャがどうして現在のような状況に陥ったのかを見てみましょう。
ギリシャは、EUに所属する前は、ドラクマという小さなインディーズレーベルに所属していました。
この頃から遊び好きで、金遣いは荒かったのですが、なんせ弱小レーベル所属のミュージシャンにお金を貸してくれる大手銀行なんてありません。
そこで仕方なく、サラ金から借金して遊び歩いていました。
もちろん、利子も膨らみ、借金の額は増えます。
そんなギリシャに、ある日、大手芸能事務所EUが、「うちの事務所に入らないか?」と声をかけます。
ギリシャとしては、もちろん二つ返事で移籍したかったのですが、
「でも、キミ、結構派手に遊んでるらしいけど、借金とかないだろうね?」
と確認され、
「いやいや、確かに借金はあるけど、ほんのちょびっとだけだぜ!OK!」
と嘘をついて、EUに移籍したんですね。
さすが、大手芸能事務所EU所属のアーティストとなると、世間の信頼も上がり、銀行が安い金利で、どんどんお金を貸してくれます。
それに気を良くしたギリシャは、ますます調子に乗ってお金を借りて、サラ金の返済に充てたり、高級車に乗ったり、高級クラブで飲んだくれたりしちゃったわけです。
そこで、ある日、新しくギリシャについたマネージャーが不審に思って問い正したところ、実は莫大な額の借金があることが判明。
ギリシャの信用は地に落ち、もう大手の銀行はお金を貸してくれなくなり、またサラ金から高い金利で借金をすることになりました。
そして、遂に首が回らなくなったギリシャの借金を、EUとIMFが半分肩代わりしてあげた、というのは以前、こちらのコラムでも書いた通りです。
日本は大丈夫なの?
でもちょっと待って!日本ってギリシャよりも、さらに大きな額の借金があるって聞いたけど!!
ってことは日本もヤバいんじゃね!??
ATMでお金おろしてこなきゃ!!
と思ってしまいますね。
では、ここで、日本についても見てみましょう。
孤高のテクノミュージシャン『ジャパン』。
ソリッドでクールなリズムトラックと、それに乗っかるポップでキュートなメロディの絶妙なグルーヴを武器に、一時は世界を席巻したこともある大物ミュージシャンである。
絶頂期には及ばないものの、現在でもその、スーツ姿に七三分け、そして黒ぶち眼鏡という特徴的なルックスと、安定して一定水準以上のアルバムを毎年発表し続けることで、多くの固定ファンを持っている。
ただ、このジャパンも、そのお固い外見によらず、ギリシャ同様金遣いが荒い。
また見栄っ張りなところがあり、後輩達と呑みにいっても、後輩達の分はもちろん、その場にいる客全員分の支払いをしてしまう。
「うおー、ジャパン先輩!カッケーっす!!まじ勝新みたいっす!!」
「お、そうかい」
などと、周りにおだてられるとすぐにお金を出してしまう。
また、お人好しというかなんというか、
「先輩、ちょっと今月厳しいんすけど。。。」
「なんだよ、水臭いな。これだけあれば足りるか?」
など、すぐに周りにお金を貸してしまう。
また、ジャパンの先輩である超大物ミュージシャン「アメリカ」に
「ハハーッ!ジャパン!!いい儲け話があるんだが、乗らないか!!」
などと、Born in the U.S.AをBGMに迫られると
「もちろん、乗るでゲスよ!」
とほいほいお金を出してしまう。
そんなこんなで、ジャパンの借金もどんどん膨れ上がるばかり。
ただ、ジャパンとギリシャの違う点。それはギリシャはサラ金から借金をしていましたが、ジャパンは実は大資産家である父親から、お金を借りているんです。
借金の額だけを見ると、確かに圧倒的にジャパンの方が大きいのですが、実の父親から借りていますので、
「パパー。今月に30万返すって言ったけど、厳しいから伸ばしてよー。」
「よしよし、かまわんよ」
とかなり融通が利くわけですね。
また、借金の額もそうですが、実は後輩に貸している額や、アメリカからの儲け話に投資している額の総額の方が大きいわけです。
ですので、借金で首が回らなくなりそうになっても、周りに貸しているお金を回収できさえすれば、無問題なんですね。
では現実の話に戻しましょう
以上の話を現実の内容に戻しますと、まず国の借金というのは国債です。
国債というのは、国が銀行や個人投資家からお金を借りる時に渡す借用証書のようなものです。
国として信頼があれば、安い金利でお金を借りることができます。
つまり、ドイツのように、アルバムの売上も安定しているアーティストから
「ちょっと、金貸してくんね?」
と言われた場合、間違いなく貸した金は返ってくるでしょうから、利子はほんの少しでもお金を貸してあげていいと思いますよね。
一方、ギリシャのようにいい加減で、まともに曲作りもしていない人物から
「つべこべ言わずに金貸せっつってんだろ!」
と言われても、まず貸したくないですよね。きちんと返ってくるかどうかすら怪しいですから。でも、
「あー、わかったわかった。借りた金は倍にして返すから!」
と言われると、まあ、倍になるんなら貸してもいいかな、となります。
これが、つまり、信頼度の高い国は、安い金利で国債が発行でき、信頼度の低い国の国債は金利が高くなるということです。
じゃあ日本の場合はどうなのかというと、国債の金利はもの凄く低いです。
つまり、とても信頼度が高いと言えます。
これは何故かというと、前述したように、借金もしているが、それを上回る額のお金を世界に貸しているということ、そして、日本の国債のほとんどは、日本の銀行や投資家が保有しているということです。
ギリシャの場合などは、国債を保有しているのはほとんどが外国ですが、日本の場合は家族間でお金のやり取りをしているようなものですね。
これらのようなことから、日本の借金が多いからといって、すぐにギリシャと同じようになる!というのは間違いです。
ただ、今後高齢化社会がさらに進み、日本の借金が膨らみ続け、日本国債の価値が今より下がるようなことがあると、国内で保有されている国債が海外に投げ売られ、ギリシャと同じような道をたどる可能性はゼロとは言えませんが。。。
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