フォルクスワーゲンの不正に、優等生の悲しみを見た。
フォルクスワーゲンがどえらいことになっている。
もちろん言うまでもなく、ディーゼルエンジン車の排ガス規制逃れの問題である。
今更ながら、簡単に事の顛末をおさらいすると、VWは米国の厳しい排ガス規制を逃れるため、検査時のみ窒素酸化物の排出を基準値以下に抑える不正なソフトウェアを使用していたというもので、実際には基準値の最大40倍もの窒素酸化物を排出していた。
対象車両は全世界で1100万台にも及ぶ。
米国当局から課せられる制裁金は2兆円とも言われており、VWの株価も不正発覚から現在までに時価総額でおよそ4割が吹っ飛んでいる。
トヨタとの熾烈なトップ争いの中で、是が非でも米国の市場を制覇したかったVWだが、米国の厳しすぎる排ガス規制の壁をどうしても超えることができず、遂に禁断の果実を口にしてしまったというわけだ。
まあ、簡単に言うと、学校の秀才二人における試験の順位争いである。
どちらも学業優秀で教師からの評判も良い、3年A組の豊田 万尾太(トヨタ モオタ)と3年D組の歩流楠 和源(フルクス ワゲン)の熾烈な学年トップ争いの末、ある期末テストにおいて、歩流楠 和源のカンニングが発覚したのである。
そうなると、今まで品行方正の秀才真面目キャラで売ってきた和源の評判はガタ落ちである。
この事態に一番ほくそ笑んでいるのは、間違いなく豊田 万尾太であろう。
ただ、もちろん豊田は
「誰にだって間違いはあるさ!和源のカンニングは確かに残念だけど、彼はずっと僕の良きライバルさ」
と、こみ上げる笑いをかみ殺しながら、クラスメイトたちの前で和源をフォローすることも忘れない。
まあ、何が言いたいかというと、ワーゲンは『質実剛健な品質の良さ』を売りにして来ただけに、今回の不正発覚によるイメージダウンは相当デカイということだ。
自分たちの一番の強みを、自分たちで潰してしまった代償は計り知れないだろう。
これが、普段からいい加減なお調子者 “有府亜 呂芽男” なんかだったら
「あー、やりそうwww」
で済んだのかも知れない。
(注:似たような名前の車メーカーがありますが、本文とは無関係。)
また、ヤンキーでハーフの “乱 ボルギーニ” 君などに至っては、
「校則? んなもん守れるわけねーし、始めっから無視よ、無視。 」
と清々しいまでの開き直りっぷりである。
(注:似たような名前の車メーカーが、排ガス規制「無視」を公言しましたが、本文とは無関係です。)
クラスの優等生の万引きが発覚すると、とてつもなく評判が下がる一方、ヤンキーがお婆ちゃんに席を譲ってあげると、彼の評判は爆上げである。
優等生は常に優等生でいなければならない厳しさを考えると、程々に力を抜いて生きていくのが一番賢い生き方なのかもしれない。
特に僕のような品行方正な人間は、もっと肩の力を抜くべきだろう。
(誰だ? お前がこれ以上力を抜いたら、アメーバにでもなるしかないなどと言っているのは?)
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