社労士による時事ネタコラム

奈良の社会保険労務士事務所「よしだ経営労務管理事務所」の代表です。 このブログは、社会保険労務士および集客コンサルタントの立場から、日々のニュースで取り上げられた労働、雇用問題や法律についての解説をしたり、一般人としての立場から駄文を書いたりするコラムです。

不気味な侵略者!?南シナ海の領有権問題とは

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現在、国会でケンケンガクガクの議論が交わされている安保法案でも、度々話題になる南シナ海の領有権問題。

今までは、極東で起こっている中国と東南アジア諸国の揉め事として、欧州各国は『関心なし』というスタンスでしたが、ウクライナ問題などと絡めて先日閉幕したG7で取り上げられたことや、米国が中国の埋め立てに対して猛反発したことで、一気に世界的な問題となりました。

では、今回は南シナ海の領有権問題について解説します。

 

 

それぞれが主張する領有権

まずベトナムなど東南アジア各国が主張している、南シナ海におけるそれぞれの領有権は下の図のようになっています。

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で、中国が主張している領有権はと言うと。。。

はい、ドーン!!

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 とこんな感じです。欲しがるね〜!!中国。

いやいや、海の領有権なんて自国の領土から、○○カイリまでってきちんと決まってるんじゃないの?どうして、中国はこんな無茶な主張をするのさ。って思いますね。

確かに、国際的な条約で、自国の基線から200カイリまでの領海を排他的経済水域(その海域の調査や埋まっている自然エネルギーなどを、独占的に行使出来る権利を有する水域)とすることが決められています。

ただ、南シナ海には多数の領有権が不明な小島が散在し、この排他的経済水域をきちんと策定することが非常に困難なんですね。

しかしながら、南シナ海は面積が狭く、水産資源にも乏しく、また散在する島も生活には適さないものばかりといった三重苦で、昔は周辺諸国の領土的な関心は低かったんです。

ところが近年、南シナ海には、石油や天然ガスなどの自然エネルギーが多く埋まっていることがわかり、一気に領有権の争いがヒートアップしたわけです。

それにしても。。。南シナ海がお宝の山ってことがわかった途端、

「お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの!」

って、南シナ海一帯を自分の領海と主張するなんて、中国はん、あんたやっぱり、めちゃくちゃや!!

と、中国はジャイアンだから仕方がない、と片付けてしまえば簡単なのですが、それにしても、どうして中国がこんな無茶な主張をするのか、もう少しきちんと見ていきましょう。

 

南シナ海の領有権をめぐる歴史

まず、南シナ海一帯の歴史的な背景についてですが、南シナ海は古くから周辺諸国の海上交通路として利用されていました。でもまあ、前述したように特に魅力もない島々の集まりと考えられていましたので、領有権が取り沙汰されることもなく、のんびりとしていたわけです。

しかし19世紀に入り、ヨーロッパ諸国による植民地支配がアジアにまで及ぶにあたり、ベトナムを支配したフランスが南シナ海の一部の諸島の主権を主張しました。

その後、第二次世界大戦が始まり、日本軍が南シナ海のフランス軍を追い出し、南シナ海一帯を終戦まで支配したわけですが、敗戦により日本は南シナ海の領有権を放棄しました。

でまあ、そのゴタゴタに乗じて中国が軍艦を派遣し、南シナ海の主だった島々を占領してしまったんですね。

まさに「早いもん勝ち」です。

しかし、70年代に入り南シナ海には多くの自然エネルギーが存在していることがわかり、周辺各国も「中国に独り占めされるなんて、冗談じゃない!」と中国の主張なんて認めないと声を上げ始めたわけですね。

 

確かに、無茶苦茶には違いない中国の主張ですが、元はと言えば、終戦後にきちんと南シナ海の領有権を線引きしなかったことが問題な訳で、中国の力がここまで強大になってしまった今では、中国のジャイアンっぷりにストップをかけるのは、非常に困難な状況です。

また、過去に日本が引き起こした戦争が、この問題の一端となっているということも忘れてはいけませんね。

それにしても、周りの反発に耳を貸さず、「俺の海で何をしようと、俺の勝手」とばかりに、埋め立てをすすめる中国。

あんた、やっぱりめちゃくちゃやで〜!!

 

藤子不二雄A先生の怪作『魔太郎がくる!!』の「不気味な侵略者」という回に、魔太郎のパパが酔っ払って連れてきた見知らぬ男性が、いつになっても帰ろうとせず、どんどん態度が大きくなり、あげくの果てに、自らの家族も呼び寄せ魔太郎の家を乗っ取ろうとするという話がありましたが、中国が世界レベルの『不気味な侵略者』に堕ちることなく、世界を引っ張っていってくれる『尊敬出来る立派なリーダー』に成長してくれることを願うばかりですが、それは無理な話なのでしょうか。

 

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