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社労士による時事ネタコラム

奈良の社会保険労務士事務所「よしだ経営労務管理事務所」の代表です。 このブログは、社会保険労務士および集客コンサルタントの立場から、日々のニュースで取り上げられた労働、雇用問題や法律についての解説をしたり、一般人としての立場から駄文を書いたりするコラムです。

厚生年金未加入事業所、加入指導の強化へ

 

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厚生年金への加入が義務づけられている事業所(法人および、一部の業種を除く従業員5人以上の個人事業所)であるにもかかわらず、違法に加入を逃れている中小企業約80万社に対して、厚生労働省と日本年金機構は4月以降、強力な指導に乗り出す方針を発表しました。

指導に応じなければ、立ち入り検査も実施した上で、強制的に加入させる方針です。

 

ここ数年で急激に厳しさを増した、年金事務所による指導

確かにここ数年、年金事務所による厚生年金未加入事業所への指導が、かなり厳しくなってきたことを実感しています。

何年か前であれば、

「おたく、法人なんだから社会保険に入らんとあかんでー」

と年金事務所から連絡があっても

「あ、えらいすんまへん!今、前向きに努力してるところですわ」

と言葉を濁せば

「ほんま、たのむでー」

と、のらりくらりとかわせたところですが、

最近では

「なあ、社会保険入ってや」

「あ、いつもすんまへん!そろそろ本気出しますよってに」

「は?信用できまへんな。来月から入ってや。もし入らんかったら、2年前まで遡って、保険料きっちり納めてもらうから。ほな、よろしゅう。」

と有無を言わさず強制加入というパターンが増えてきました。

これが4月から、さらに強化されるようです。

 

未加入事業所が多いワケ

では、なぜ社会保険(厚生年金と健康保険)の加入義務がありながら、加入逃れをしている中小企業が多いのでしょうか。

これは、社会保険への加入にともない発生する、高額な保険料が原因です。

保険料の額は事業所のある都道府県や、加入する健康保険の種類により若干異なりますが、厚生年金と健康保険を合わせて、給料のおよそ3割弱となっています。またこの保険料は、その半分を従業員が負担し、もう半分を会社が負担することになっており、例えば月給30万円の従業員であれば、毎月約4万数千円程度を会社側が負担することになります。

つまり、従業員が20名程度の企業でも、年間で1千万円以上の保険料負担が発生するのです。これは体力のない中小企業にとっては死活問題です。

あと一つの原因は、従業員の反対によるものです。これは若い方に多いのですが、給料が20万円を超えたあたりで、国民年金の負担額よりも厚生年金の自己負担額の方が金額的に大きくなってきます。そこで、厚生年金に加入すると給料の手取りが減るためです。

ただ、実際には厚生年金の方が、会社がさらに半分負担してくれますので、納める額は自己負担額の2倍となり、老後にもらえる年金額は、国民年金だけに加入している人の倍以上になります。

また健康保険も、国民健康保険に自分で加入しているより、会社で健保協会などに入った方が、病気で仕事を長期間休まなければならなくなった時に、給料の2/3程度のお金が貰える傷病手当金制度や、女性であれば、出産前後の仕事ができない期間に、同じく給料の2/3が貰える出産手当金制度などもあり、お得なのです。

ただ、年金制度への将来的な不安や、将来のお金よりも、とりあえず今の暮らしが優先、といった考えにより社会保険への加入を反対されるのです。また、国民年金すら、未払いで逃れている方もおられるようです。

 

国はいよいよ本気を出してきた

しかしながら、増え続ける社会保障費問題に対処するため、国はいよいよ本気を出してきました。つい先日も、所得400万円以上の国民年金滞納者への強制徴収を発表しました。

また、来年から本格的に運用が始まるマイナンバー制度により、保険料未納者や社会保険未加入事業所の情報は行政に筒抜けになりますので、今までのように保険料納付を逃れることは、ほぼ不可能となるでしょう。

今回の加入指導の強化で、へたをすると倒産に追い込まれる中小企業も出てくるかもしれません。そうなると、やっと底打ち感が出て来た国内景気にも悪影響を及ぼしますので、国にはもう少しお手柔らかにお願いしたいところですが、

うーん、どうなんでしょう。

正直、行政が本気を出したときは、サラ金の取り立てなんかよりも、よっぽどたちが悪いですからね。。。

 

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