【遂に来た!】厚生年金未加入事業所を17年度末までに全調査へ
厚生労働省は厚生年金の加入を逃れている企業の実態調査を強化し、未加入の疑いのある全事業所の調査を2017年度末までに実施する方針を固めた。
まあ、「これからビシバシ取り締まるで!!」という方針は、1年前から言われていたので、その具体的な計画が遂に出て来たというわけだ。
このニュースを受けて、全国の中小零細企業の経営者の方々は戦々恐々とされているのではないだろうか。
なんせ、調査対象となる厚生年金の加入逃れをしている疑いのある事業所の数は全国で80万近くあると言われている。
かつて、このコラムでも解説したことがあるが、なぜ社会保険(厚生年金と健康保険)の加入義務がありながら、加入逃れをしている企業が多いのかというと、毎月なんとか自転車操業でやりくりしている中小零細企業の場合、社会保険に加入してしまうと、キャッシュフローが滞り、一気に倒産してしまう可能性があるからだ。
ご存知の通り、従業員にかかる社会保険の保険料は、会社がその半分を負担しなければならない。例えば月給30万円の従業員であれば、毎月約4万数千円程度を会社側が負担することになる。
つまり、従業員が20名程度の企業でも、社会保険に加入したとたん、年間で1千万円以上の保険料負担が新たに発生するのだから、これは非常に頭の痛い問題である。
現在、金銭的な理由で、のらりくらりと社会保険の加入逃れをしている経営者も、本音を言えば、社会保険に入れるものなら入りたいのだ。なぜなら、昨今の人手不足で、社会保険にも入っていない会社には、いくら求人を打っても人が集まってこないからだ。
僕が顧問をさせて頂いている会社の場合、加入義務のあるところは、ありがたいことに全社問題なく社会保険に加入して頂いているが、初めて電話などでお問い合わせ頂く経営者の方から
「やっぱり社会保険に入らないと駄目ですか?」
というご質問を頂くことが最近、特に増えて来たように思う。
数年前であれば、
「とりあえず、余裕があるなら加入して頂くのがベストですが、本当に厳しいようなら様子見でもいいんじゃないでしょうか。」
と回答していた。(もちろん、社労士の立場でこんなアドバイスをするのは、褒められたことではないのだが。)
ただ、最近は
「無理してでも入っておかないと、この先もっと大変なことになりますよ。」
と脅しにも近い回答をしている。なぜなら、政府の対応が明らかにここ数年で変わって来たからだ。
社会保険への加入義務を怠ると、過去二年分を遡って保険料が徴収されるのだが、以前は単なる脅しだけで、非常に悪質な場合を除き、実際に訴求徴収されることは、まれであった。しかし、年金事務所からの加入の催促を無視し続けた結果、保険料を訴求徴収された企業の数は、ここ数年で一気に増えた。
また、保険料が払えない為に、会社を差し押さえられ、営業用の車両などを競売にかけられた企業も多数ある。
こういうことを知っているだけに、安易に
「まあ、年金事務所から加入催促されても、のらりくらりと逃げておいてください。」
などという、無責任な発言は出来なくなってきたのだ。
法人税などと同様に、社会保険の加入は企業の義務である。これを逃れることは、今後ますます難しくなるだろう。
では、その負担をどこで穴埋めするか。
それは、本業の利益を底上げして埋めるしかない。
ということで、弊所は、通常の社労士業務の他に、集客コンサルティングも行っていますので、社会保険の加入手続きと、本業の利益の底上げの両面からサポートさせて頂きます。
以上、時事ネタ解説のフリをした、よしだ経営労務管理事務所の宣伝でした。
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