人民元の野望『世界一の通貨に俺はなる!!』ドン!!! ついに人民元がSDRの構成通貨に。
紆余曲折があったものの、ついに人民元が国際通貨基金(IMF)の準備通貨に加えられることになった。
SDRとは?わかりやすく解説
特別引き出し権(SDR)とよばれる準備通貨だが、これがどういうものかというと、まずIMFとは、加盟国の経済がピンチになったときに融資を行ってくれる機関だ。
先のギリシャ危機の際も連日ニュースでその名前が出て来たので、聞き覚えのある方も多いだろう。
IMFの加盟国はまず、IMFに出資する必要があるが、この出資割合に応じて、IMFから融資を受ける権利が割り当てられる。SDRとはこの『権利』の単位である。
SDRの単価は、為替レートの影響を抑えるため、現在、4つの安定した通貨を基準として決められている。この4つの通貨とは、ドル・ユーロ・ポンド・円である。
これらを、ある割合ずつミキサーにいれ、出来たミックスジュースがSDRなのである。
人民元の野望
今回の決定で、このミックスジュースの材料に、来年の秋から人民元が加わることになったのだ。
中国はずっと、人民元がSDRの構成通貨の一員になることを渇望していた。なぜならSDRの構成通貨になるということは、世界が人民元を『国際通貨』として認めたということであり、
「世界一の通貨に俺はなる!!」ドン!!!
という人民元の野望実現に向け、大きな前進となるからだ。
しかし、アメリカの本音といえば、SDRのミックスジュースの材料に人民元が入ってくることには反対である。それはそうである、今までSDRジュースの材料の半分近くがドルであったわけで、
「ハハーッ!!どうだい、特製SDRミックスジュースの味は?アメリカドルの旨味が全面に出ていて美味しいだろう!!」
とご陽気に笑っていたところに、突然、人民元などという成り上がりの、味もよく分からない怪しげなものがぶち込まれることになるのだから。
しかし、人民元のSDR入りに反対しようにも、
「もちろん、お前は人民元を仲間に入れるのは反対だよな!日本!」
「もちろんでやんすよ!親分」
と、日本の同意を得たところまでは良かったのだが、
「で、他のみんなももちろん反対だよな!?」
と他の加盟国にも同意を求めたところ、
「いや、俺は別に。。。」
「人民元の最近の活躍は目覚ましいし、俺は良いと思うよ」
と、次々に人民元のSDR入りを認める意思を、他の加盟国らが表明。
そうなのである。いつの間にか完全に中国に外堀を埋められてしまっていたのだ。
実は一番ピンチなのはドルではなく、円
まあ、そうなると切り替えが早いのもアメリカである。
「そんなら仕方ねえや。いいぜ、仲間に入れてやるよ。どうせお前が入ったところで、俺様の最強伝説が崩れることはないしな、ハハーッ!!まあ、仲良くしようぜ、ホットドッグ食うか?」
と、したたかに人民元の成長力を自国の経済成長に取り込む方針に転換。
さて、ここでガクブルなのが、我らが日本円である。
このまま、人民元の影響力が強まり続けると、円の通貨としての魅力が下がり、日本経済にも大きな影響を与える可能性がある。
どうやって、円の魅力とブランド力を高めて行くかが、今後の日本の大きな課題である。
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