真島昌利は理想的なギタリストである。異論は認めない。
ひとり夜中にyoutubeを眺めながら酒を飲んでいた。
真夏はどうやってもキンキンに冷えたビールが一番なのだが、こう涼しくなってくると、日本酒がうまくなってくる。
知らず知らずの間に杯を重ね、気分も相当良くなって来たところで、馬鹿みたいに口をポカンとあけ、ブルーハーツの動画を眺めながら思うのは、
「やっぱ、マーシーかっこええ。。。」
ということだ。
もちろん、ヒロトも好きだ。だが、僕はマーシーこと真島昌利派だ。
日本人ギタリストの中で一番かっこいいと思う。
というのも、僕が思い描く理想のギタリスト像に、もの凄く近いからだ。
僕が思い描く理想的なギタリストの条件とは
①無口でクールな不良性
②端正なルックス
③バンドの根幹を支える作曲能力
④メインボーカルに彩りを添える絶妙なコーラスワーク
⑤ごく稀に見せるお茶目さ
となる。
まあ早い話が、ストーンズのキース・リチャーズである。
エアロスミスならば、ジョー・ペリーである。
ツェッペリンであれば、ジミー・ペイジである。
このラインに日本人として、バシッと乗ってくるのがマーシーなのである。
個人的にはギタリストの演奏には、テクニックそのものよりも、その人にしか出せないノリや雰囲気を重視する。
クラプトンはテクニックと音楽センスは一流だが、端正なルックスと、不良性という部分で駄目だ。(実際にはコカイン決めまくりのヤクザな人間だが、見た目の不良性に乏しいので駄目だ。)
ミック・ジョーンズは音楽性や、たたずまいは最高なのだが、ルックスがほぼ志村けんなので駄目だ。
そんなこんなで、カッコいいギタリストは沢山いるのだが、僕の理想に完全に一致するギタリストは、海外アーティストの中でも意外と少ない。
それが、日本人アーティストとなると、マーシー以外だと、ルースターズの花田裕之か、シーナ&ロケッツの鮎川誠ぐらいしか思いつかない。
まあ、マーシーがキース・リチャーズを彷彿とさせるのは、マーシー自身がキースの影響を強く受けている点も大きいが、それにしても、マネしたからといって、あの格好良さは誰にでも出せるものではない。
中原中也の影響を感じさせる、投げやりで純粋な独特の歌詞のセンスもいい。
あの嘘みたいにしゃがれた、甲高い歌声もいい。
ダウンタウンと乳首相撲を取ってしまうお茶目さもいい。
夏が終わると、決まってマーシーのソロ第一作目の「夏のぬけがら」が聴きたくなる。
このアルバムは恐るべき名作である。
ブルーハーツで見せるパンク的なタテ乗りのアプローチは影を潜め、ぐっと胸を締め付けられるノスタルジーに溢れている。
近藤真彦のカバーでも有名な「アンダルシアに憧れて」はもちろん、CMにも使われた「ルーレット」、NHKみんなのうたでも流れた「小犬のプルー」、27歳にして既に人生に疲れ果てた、かつて自分の中でヒーローであった友人を歌った「さよならビリー・ザ・キッド」、ツンデレな彼女との牧歌的なドライブ「カローラに乗って」など、マーシーの作詞作曲センスと、そのハスキーで特徴的な歌声が遺憾なく発揮された名作である。
いや、超名作である。
「ああ、やっぱ、マーシーかっこええ。。。」
馬鹿みたいに口をあけながら、アルバムを聴き直しているところで、日本酒も底をつき、いつの間にか眠ってしまっていた。
と言う訳で、二日酔いだ。
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