フランスで発生した同時テロについて
週末になんともやりきれない事件が起きた。
言うまでもなく、フランスのパリで発生した同時テロのことだ。
テロは市内のレストランや劇場、郊外の競技場など計6カ所で起きた。
レストランでは自動小銃が乱射され、競技場では自爆テロによる爆発が起き、劇場では人質をとって立てこもった3人の犯人を治安当局が射殺したが、ロックコンサートを見ていた観客、約80人が犠牲になった。
このテロによるケガ人は250人以上、死者は130人とも報道されている。
テロの実行犯は、過激思想を持つフランス人の他、シリアからの難民を装って入国したと見られる人物も含まれる。
フランスのオランド大統領は過激派組織『イスラム国』による戦争行為だと非難し、イスラム国もまた、『攻撃は、フランスの軍事行動に対する報復である』と犯行声明を出した。
フランスは米国とともに、シリアやイラクでの『イスラム国』に対する空爆攻撃に参加しており、この行為に対する報復を目的としたテロとの見方が有力である。
あまりにも、卑劣で痛ましい事件であり、何と言っていいのか言葉もない。
しかし、この事件に対する世界の反応は様々である。
「ほら見たことか!!移民なんて受け入れるからこんなことになるんだ!!移民受け入れ絶対反対!!」
というように、問題の根本をすり替えた持論を展開する人や、
Facebookのプロフィール写真をトリコロールカラーにする人と、逆にそれに対して、「ケッ!いけ好かねえ!!」と非難する人。
「次は我々の国が標的にされる!!!」と恐れ戦く人々。
皆間違ってはいないが、どこかピントがずれている気がする。
元々は、アフガニスタンとイラクという小国間の争いに、世界平和の大義名分の元、自国の都合のためにアメリカが介入したことが元凶である。
イスラム国を排除したところで、シリアやウクライナなど、小国の紛争を利用した大国間の代理戦争が続く限り、必ず同様の悲劇が繰り返される。
人間のエゴがある限り、争いがなくなることはないのだろうか。
ただ、エゴがあるからこその発展もある訳で、考えれば考えるほど、本当にやりきれない気分になる。
しかしながら、ただ純粋にシンプルに、今回の事件に心を痛め、犠牲になった人達の為に、いったい自分に何が出来るのかを必死で考え、出来ることをしたいと思う、その想いや考えは、世界中で共通しているのではないだろうか。
僕自身、自分に何が出来るのかを足りない頭で考えたいと思う。
犠牲になられた方々とそのご遺族に、謹んで哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々とそのご家族に、心よりお見舞いを申し上げます。