社労士による時事ネタコラム

奈良の社会保険労務士事務所「よしだ経営労務管理事務所」の代表です。 このブログは、社会保険労務士および集客コンサルタントの立場から、日々のニュースで取り上げられた労働、雇用問題や法律についての解説をしたり、一般人としての立場から駄文を書いたりするコラムです。

【何を今さら】マイナンバーは違憲?弁護士と市民団体が提訴へ

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マイナンバーは違憲だとして、弁護士や住民らのグループ計150人が、国を相手にマイナンバーの利用停止や削除などを求める訴訟を全国5地裁で一斉に起こしたそうである。

マイナンバー制度は、プライバシーの保護などを保証した憲法第13条を侵害しているというのが、彼らの主張だそうな。

 

全体的に不安を煽り過ぎ

正直、何を今さら。。。という感じである。

マイナンバーなどは2年も前から話題になっていたことだ。本当に問題意識があったのなら、その時から反対運動をするべきである。

おそらく、この訴訟に参加している大多数は、マイナンバーの詳細についてこの数ヶ月にはじめて知った人達であろう。

大体、ワイドショーも週刊誌も直前になって『マイナンバーは怖い!!』と面白おかしくあおり過ぎである。だから、こういう素直な人達が真に受けて『ゲェッ!!マイナンバー絶対反対!!』となるのである。

そういう意味では国にも責任がある。システム会社やセキュリティ会社に仕事を受注させることで、その経済効果を狙ったのであろうが、

『会社はマイナンバーを絶対漏らすなよ!お漏らししたら折檻やでぇ!!』

と超極秘情報のような取り扱いを強制しながら、その運営方法については「まあ、なんとなく、立ち合いは強くあたって、あとは流れでお願いします」的なザル加減。

その国の態度が、マイナンバーが何なのかは結局よくわからんが、とにかくトテツモナクヤバい数字らしいという印象を皆に植え付けてしまったのだ。

 

 

問題は口座紐付けが強制されてから

何度も言うように、現時点でマイナンバーなどは、基礎年金番号に毛の生えた程度のものである。これが漏れたからといって、多少ダイレクトメールが多く届く可能性がある程度で、さして個人の生活に大打撃を与えるようなものではない。

しかし、今後政府がもくろんでいるように、銀行口座との紐付けが強制的に行われるとなると、話は少々違ってくる。

現在は、年金機構の個人情報流出事件などがあり、「いやぁ、まあ、とりあえず任意でお願いしまっさ」と下から出ているが、どうせそのうち「は!?強制だし。」と口座への番号紐付けをヌルっと強要してくることは明らかである。こうなるとマイナンバーの流出についても笑い事では済まなくなる。

 

多少の遊びはあってもいいんでないの?

どちらにせよ、今回の訴訟については、国に軽くあしらわれるのがオチだと思うが、個人的にもマイナンバーについてはどちらかというと反対である。

というのも国の都合だけで考えられた制度であり、個人が享受するメリットがほとんどないからだ。

しかしまあ、正直者が馬鹿を見る、ということが少なくなり、より公正な社会になるという意味では悪くない制度だとも思う。

僕的には、あまりギチギチに締め付けられるよりも、多少遊びがあるのが好みではあるが。

 

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