ユニクロ週休3日制度を導入へ。その真の目的は?
ユニクロでおなじみのファーストリテイリングは、週休3日の制度を全従業員の5分の1にあたる約1万人の正社員を対象に、10月より導入することを発表しました。
一部では「ブラック」などと揶揄されるファストリのイメージとはうらはらの、超ホワイトな改革に
「すまない。。。俺はあんたを誤解していたようだ。」
「フッ。わかってくれて嬉しいよ。」
という往年のジャンプ漫画的ストーリーを勝手に頭の中で描きつつ記事を読み進めると、やはりそう単純なことでもないようです。
1ヶ月単位の変形労働時間制とは?
まず、確かに週休は3日に増えますが、1日の所定労働時間も8時間から10時間に増えるようです。
「え!?そんなこと許されるの?」
と思う方もおられるでしょうが、完全に合法です。
『1ヶ月単位の変形労働時間制』という制度を用いることで、「1ヶ月以内の期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間以内となるように労働日および労働時間を設定することで、1日の所定労働時間が8時間を超えたり、特定の週に40時間を超えて労働させることが可能」となるのです。
今回のユニクロの場合ですと、1日10時間労働で週4日勤務の、週40時間労働となり、全く問題なし、ですね。
週休3日を導入する真の目的は
さて、1日の労働時間を10時間にすると、ユニクロにとってどんなメリットがあるか?
一番大きいのは残業代の削減でしょう。
通常の勤務体系であれば、労働時間が8時間を超えた時点でそれ以降の勤務には残業代が発生しますが、今回の場合だと、法定労働時間が10時間となりますので、そこまでは残業代を支払う必要がありません。
ユニクロの一般的な地方店舗社員の給与を時給換算すると、およそ1,500円程度でしょうか。その一般的な社員に今回の制度を適用することで、1ヶ月あたり12,000円の残業代削減になります。
これを1万人に適用すると、会社全体で年間1億2千万円の人件費削減になります。
これは大きいですよね。
冒頭の通り、「ユニクロ、週休3日制度を導入!」というニュースの見出しだけ見ると、ユニクロってめっちゃホワイトじゃん!と好印象ですが、実はユニクロにとっても経費削減効果が高いという、イメージアップに加え実利の面でもメリットがあるという一挙両得の奇策なのです。
今後の働き方の一つとして検討の価値あり
また、イメージアップに加え、多様な働き方が選べるということで、求人の面でも大きな効果が期待できるでしょう。
週休3日の対象者は「地域限定正社員」のうち本人希望者に限られるとのことですが、今回の制度導入が、順調にユニクロの思惑通りの好結果を招けば、今後、他の社員にも、同様の制度の導入が広げられるはずです。
週休3日にしても、シフトをきちんと組んでまわしさえすれば、業務に支障が出にくい店舗販売というサービス業だからこそ、今回の制度を導入しやすかったという面もあると思いますが、今後の働き方の選択肢の一つとして、面白いと思います。
美容室など、他のサービス業においても導入を検討する価値はあるのではないでしょうか?
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