社労士による時事ネタコラム

奈良の社会保険労務士事務所「よしだ経営労務管理事務所」の代表です。 このブログは、社会保険労務士および集客コンサルタントの立場から、日々のニュースで取り上げられた労働、雇用問題や法律についての解説をしたり、一般人としての立場から駄文を書いたりするコラムです。

富士山の世界遺産登録は2年の期限付き!?世界遺産のモンドセレクション化

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先ほど新聞を読んでいると、すこし考え込んでしまう記事があった。

日本人のソウルマウンテン、富士山。

ご存知のとおり、2013年に富士山は世界文化遺産として登録されたわけだが、どうもこれが2年間の期限付きだったというのだ。

もう少し正確に言うと、富士山の世界文化遺産登録は、富士山の様々な環境問題についてイコモス(ユネスコに代って世界遺産に値するかどうかを審査する組織)に指摘された問題を、2016年の2月1日までに改善するという条件付きで登録されたのだという。

その指摘された環境問題について期限までに対策が取られない場合、世界文化遺産の登録が取り消される可能性もあるとのこと。

 

 

板挟みの富士山

具体的な勧告内容であるが、『えらく難しい文章で、一回読んだだけではわからない』(知事談)という。

おいおい、大丈夫か?わからないならイコモスか、肥後モッコスやらにちゃんと確認しろ。と思うが、要は登山客が多すぎて、富士山の神聖な雰囲気が台無しになってるから、登山客の数をもっと減らせ、あと排気ガスでマウント・フジのスピリチュアルパワーがスポイルされてファッキンなので、マイカーで富士山に来る奴らももっと減らせ。ということらしい。

そこで、何とか登山者数の増加に歯止めをかけようと四苦八苦しているというのだが、ここで"うーん"と考え込んでしまう。

山梨県と言えば、『ほうとう』と『ぶどう』と『富士山』で持っている県だ(失礼)。

それが、富士山が世界遺産に登録されたことで、富士山目当ての観光客を規制しなければならないという、なんとも奇妙な悩みを抱えることになったのだ。

 

世界遺産である必要性が富士山にはない

そもそも、世界遺産に登録されるメリットといえば、それで知名度が上がり、観光客が増えることで地元が潤う『経済効果』だろう。

しかし、富士山に関して言えば、むしろ観光客を規制しなければならないハメに陥っており、このメリットは成り立たない。

その他のメリットと言えば、遺産の保存について世界遺産基金から援助が受けられる点だが、日本のように予算に余裕がある国の場合は、その援助も受けられず、自国でどうにかしなければならない場合が多い。

ということは、結局、富士山に関して言えば『世界遺産』というブランドの称号以外に何らメリットはないように思われる。

それでなくても、世界遺産が増え過ぎて若干、食傷気味の昨今である。

イコモスだか、イゴッソウだか知らんが、海外の団体にああだこうだと無理難題を押し付けられてまで、しがみつく価値が本当に今の『世界遺産』にあるのだろうか。

そのうち『世界遺産』も『モンドセレクション金賞』と同じ程度の価値になるんじゃないの、とゲスっぽく邪推してみたり、してみなかったり。

 

「世界遺産」の真実---過剰な期待、大いなる誤解 (祥伝社新書185) (祥伝社新書 185)

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