【1億総活躍社会】言葉の意味はよくわからんがとにかくすごい自信だ
安倍改造内閣が新たに掲げたスローガン『1億総活躍社会』
キン肉マンの『へのつっぱりはいらんですよ』にも引けをとらない、まさに
「言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい自信だ!」
とリアクションするしかない名スローガンである。
...で? 結局どういうこと??と仰々しい語感のインパクトとはうらはらに、その中身が全く見えてこないという点においても、そのハリボテ具合は秀逸である。
仮に、このスローガンを北朝鮮や中国が掲げたのならば、
「まあ、共産主義らしくていいじゃない」
と、丸めた鼻くそを眺めながら、少しずつ深まる秋の気配に、ああ、今晩のおかずは焼きサンマにしようと強く心に決めて終わりなのだが、現在の日本において、この『1億総活躍社会』という言葉の堅苦しさはどうにも座りが悪い。
個人的には、戦時中の「1億総玉砕」的なモノをイメージしてしまい、やっぱり安倍さんって、こういった右寄りな感じが基本的に好きな人なんだろうなと思ってしまうのだ。
1億総活躍社会の具体的な内容
単なる語感だけをとらえて、批判していても仕方がないので、その真意を見てみよう。
1億総活躍社会とは、少子高齢化に歯止をかけ、人口1億人規模を50年後も維持し、なおかつ若者や高齢者、障害者など誰もが活躍できる社会づくりを目指すというもの。
具体的な方針目標としては、
① 5年後のGDPを、現在より2割増の600兆円にする。
② 10年後の出生率を、現在より3割増の1.8にする。
③ 家族の介護のために離職する人を、20年代初頭にゼロにする。
となっている。
中身をきちんと見ると、まあもちろんのことながら、まともな政策である。
ただ、目標を掲げるのは簡単だが、実現するにはどれも困難なものばかりであるのも事実である。
GDPについては、7〜9月期がマイナスになる可能性が指摘されており、アベノミクスの効果に疑問符が付き始めている。TPPによるGDPの押し上げ効果も不透明であり、5年で2割の成長を実現するのは容易ではない。
出生率については、子供が欲しいと願っている若者層の希望が、すべてかなうと達成する水準とのことだが、第一子への経済的な支援強化や、不妊治療への保険適用など、大掛かりな改革が必要ではないだろうか。
また、介護離職ゼロという目標は重要だが、それと共に、現在介護施設における過酷な現場の労働条件改善を行うことも重要であろう。
目標を達成するための現実的な設計図はまだということだが、どうなのだろう?改造内閣に期待していいのだろうか。顔ぶれだけ見ると、失礼ながら若干不安を覚える方々も多少おられる。
それにしても『1億総活躍社会』。安保法案で一悶着あった後だけに、このような堅苦しい語感をもったスローガンではなく、もっと気持ちが明るくなるような、ナウなスローガンはなかったのだろうか。例えば、『tkmk(トキメキ)ジャパン化計画♡』のような。
まあ、実際にそんなスローガン出してきたら、全力で叩くんですが。
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