軽減税率へのマイナンバー利用は、ネプチューンキングに裏切られたネプチューンマンのような心境。
マイナンバーカードを消費税の軽減税率に利用することを財務省が正式に提案し、議論が巻き起こっている。
自民党の野田税制調査会長などは
「よくここまで検討してくれた」
と、この案を手放しで誉め讃えたそうな。
しかし、世間は概ね反対意見で溢れている。
「個人情報が詰まったマイナンバーカードを、買い物の度に差し出さないといけないなんてあり得ない!」
と一般の人々が反対の声を挙げる一方、
ある若手の都議会議員は、
「軽減税率のマイナンバーカード利用に反対している人たちが、平気でTポイントカード使ってるの何なの?」
と、持論を展開した。
いったいどうマイナンバーと向き合えばいいのか?
与党の政治家達と一般市民との、このような意見の剥離はなぜ起きるのだろう。
まず、これまで政府は企業に対して、
「マイナンバーは個人情報の詰まった大切な番号だから、取り扱いは特に厳重に行うように!!」
と、ぴっちり横分けで黒ぶち眼鏡をキラリと光らせ、厳しい態度でグイグイ押し付けて来た。
企業が社員のマイナンバーを漏洩させてしまった場合、刑事罰が適用されることも決定している。
それを受けて、「これは商売になる!!」と踏んだシステム会社や、一部の士業(僕は違います、いやホントに(汗))達が、企業に対して
「ヤバいで!ほんまヤバいで!システム管理や情報漏洩対策を今のうちにきちんとしときまへんと、オタクの会社、コレがコォなってお縄頂戴ですわぁ。
でも安心しておくんなまし!ウチに任せてくれはったら、万事解決ですわ!!まあ、ちょっとお金は頂くことになりまっけど、ポリさんに捕まること考えたら安いもんでっしゃろ。でんがなまんがな。」
と儲けの種にしていることも事実だ。
ところが、今回の軽減税率へのマイナンバー利用となると、今までぴっちり横分けだった兄さんが、急に茶髪ロンゲのチャラさ全開で
「つぅーかぁー、せっかく国民全員に番号付けるんだからぁ、いろいろ便利に利用しちゃえばいいじゃん!」
と言い始めたものだから困惑してしまう。
まさに、
「完璧超人は己の鍛え上げた肉体が全て!凶器攻撃などは下等超人のすることよ!」
と豪語していたネプチューンキングが、終盤になり「グヘヘ」と凶器による反則攻撃を行った際の、ネプチューンマンのような心境だ。(30代後半以上のおっさんにしかわからない例えを、なぜ無理矢理ねじ込む?)
政府の二枚舌に振り回される国民と企業
マイナンバーカードを軽減税率に利用する為には、個々の小売店にカード読み取りシステムなどの機材を新たに導入する必要があるが、国はこのシステム導入の全額またはほとんどを負担するともしている。
社会保障にかかる費用が不足しているから消費税を増税するのに、軽減税率システム導入にかかる費用を税金で賄うという、一般人には理解し難いマッチポンプ。
政治家とズブズブの関連企業に仕事を回し、「オヌシも悪よのぅ」的な裏取引があるのでは、と勘ぐってしまうのも無理はない。
とりあえず、税の徴収率を上げる為に導入決定したはいいものの、結局、政府自身もマイナンバーの取り扱いについて、いまいち方向性が定まっていないのではないかと思う。
しかし、こうした政府の二枚舌に振り回される国民や企業はたまったものではない。
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