グーグルの組み立て式スマホ。プロジェクト・アラは新時代のスタンダードになり得るのか?
グーグルが開発している、組み立て式スマホ『プロジェクト・アラ』の試験販売が、当初予定していた今年から、来年に延期されることがわかった。
実は、僕はこのニュースを聞くまで、プロジェクト・アラの存在を知らなかったのだが、とても興味深いスマホである。
レゴのようなスマホ
この組み立てスマホであるが、カメラやバッテリー、液晶ディスプレイなどスマホの部品がそれぞれモジュールごとに分かれており、自分の好きなようにフレームにはめ込んでいくことで、ユーザーが好みや必要に応じてカスタマイズできるというもの。
例えば、カメラ機能を重視する場合は、カメラモジュールを高性能なものに取り替えたり、画面の美しさを重視する場合は、より解像度の高い液晶に取り替えたりといった具合だ。
「レゴブロックのようなスマホ」と言われているらしいが、僕らの世代だと「学研の電子ブロック」のスマホ版といったところか。
日本的なアイデアなのに...
しかし、コロンブスの卵というか、その構想を聞けば「あー。確かに便利だね。」となるが、スマホは一つの筐体の中に全ての機能がパッケージングされているもの、という固定観念が我々には染み付いており、常人では、なかなかこういった発想は出てこない。
さすが、世界有数のアイデアマンや知恵者が集まるグーグルである。
ただ、こういった組み立て式や、複数モジュールを自由に組み合わせるといった発想は、どちらかというと過去日本が得意としていた分野ではないだろうか。
ガラパゴス、ガラパゴスと言われている日本の携帯メーカーから、こういった究極のガラパゴスとも言える製品のアイデアが出なかったことは少し寂しい。
アメリカ製品とえいば、むしろ真逆で、
「ヨーメン!でっかい筐体に取りあえず突っ込んじまいな!おっとジョージ、それを突っ込むのは夜まで待ちな、ハハーッ!!」
といった、豪快で適当な感じが持ち味だったものだが、やはり時代は変わっていくのだ。
プロジェクト・アラは成功するか?
個人的にはとても面白いと思うこのプロジェクト・アラ。
成功の鍵は、グーグルがサードパーティーへの自由度をどれほど認めるかにかかってくるのではないか。
サードパーティー企業に門戸を広くひろげることで、市場が活性化し、数々の面白いモジュールも発売されるだろう。
そうなれば、将来スマホはすべて、この組み立て式で統一されるかもしれない。
今、携帯を作っている各社も、売上不振になやむスマホ端末の開発などはやめ、それぞれ自社の得意な分野のモジュール開発に特化すればいい。
シャープは液晶モジュール、ソニーはオーディオモジュールといった具合にだ。
まあ、企画の統一や、コストの面などハードルは沢山あると思うが、もう新しいアイデアは出尽くした感のあったスマホ業界でも、まだまだこんな方法で、市場を切り開くことが出来ることを示したグーグルの発想力と実行力はさすがだと思う。
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