社労士による時事ネタコラム

奈良の社会保険労務士事務所「よしだ経営労務管理事務所」の代表です。 このブログは、社会保険労務士および集客コンサルタントの立場から、日々のニュースで取り上げられた労働、雇用問題や法律についての解説をしたり、一般人としての立場から駄文を書いたりするコラムです。

豚の生食が来月から禁止へ。「無菌豚=安全」という幻想

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厚生労働省は27日、豚の生レバーや生肉の飲食店などでの提供を禁じることを決めました。今後は中心部まで十分に火を通すことを義務付け、違反した場合は刑事罰の対象となります。

豚生食は2012年に牛の生レバーの提供が禁止されて以降、その代替品として一部の人達に支持されてきました。

豚生食を提供していた店の客などからは、「生のほうが美味しいのに。。」と惜しむ声が上がっているとのこと。

ただ、我々の世代は、親から

「豚はよく火を通さないと危ない!」

と常に言われてきたので、まず豚を生で食べるということ自体にかなり抵抗があります。

豚しゃぶなども、牛しゃぶと比べてよく「しゃぶしゃぶ」して、しっかり肉の色が変わってからでないと、食べるのを躊躇します。

 

 

ミスター味ッ子の赤いトンカツ

ミスター味ッ子の「赤いカツ丼」という話でも、その昔、味ッ子の父さんが作った「赤いカツ丼」が忘れられないという爺さんが現れ、味ッ子がその味を再現しようとします。

赤いトンカツということは、肉がレアの状態のトンカツに違いない、と推測する味ッ子に対して、母親は

「それは無理だわ!生の豚肉には細菌や寄生虫がうようよいる!!火を十分に通さないで食べることは自殺行為なのよ!」

と反論します。まあ、これくらい僕たちの世代では、豚を生で食べるということに対して、ありえない!という考えが浸透していたと思います。

で、そのあと味ッ子がどうしたかというと、生まれたときから完全な無菌室で細菌や寄生虫を寄せ付けずに、厳重な管理のもとで育てられた「無菌豚」なるものを見つけ出し、見事父親の味の再現に成功。爺さん感涙というオチでしたね。

 

食用の無菌豚なんて存在しない!

なんだ。じゃあ無菌豚なら生食でもオッケーなんじゃん!と考えていた時期が私にもありました。で、結構な年になるまで、豚しゃぶや生食用に提供されている豚はこの「無菌豚」なのだろうと信じていました。

ところが、調べてみるとそうじゃないんですね。

まず、我々が無菌豚と思っているものは、SPF豚と言って、本当の無菌豚とは異なるようです。本当の意味の無菌豚は特殊な装置の中でしか飼育できず、食用で出回ることはまずないとのこと。

またSPF豚については、生食をしても問題ないと誤解されているが、E型肝炎感染の恐れは残るため、SPF豚肉といえども加熱調理は必須。とのこと。

味ッ子ェ。。。。

ということは、食用の豚肉については、やっぱり生で食べれるものなんて存在しないということですね。

また、我々が親からよく言われた寄生虫については、実際のところ1935年以来確認されていないとされていたようですが、近年は輸入された豚が寄生されていたりすることが原因で、感染例が増加しているとのこと。

 

ただ、普通に考えれば、牛の生食がダメなんだから、豚はもっとダメだろうと思いますよね。

政府もまさか、牛がダメなら豚で代用だ!なんていうトンデモナイことが、これだけ普通にまかり通るとは思ってなかったんでしょうね。

あと、「無菌豚=生でも大丈夫」という間違った知識を、純粋な少年であった僕たちに植え付けた寺沢先生の罪は大きいと思います(笑)

ミスター味っ子(1) (講談社漫画文庫)

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