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社労士による時事ネタコラム

奈良の社会保険労務士事務所「よしだ経営労務管理事務所」の代表です。 このブログは、社会保険労務士および集客コンサルタントの立場から、日々のニュースで取り上げられた労働、雇用問題や法律についての解説をしたり、一般人としての立場から駄文を書いたりするコラムです。

確定拠出年金の導入企業が2万社を突破する勢い

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厚生労働省の調べで、確定拠出年金を導入している企業が3月末の時点で1万9832社に上ることがわかりました。2020年までに2万社とした政府の目標を、近く達成する見込みです。

ここで、確定拠出年金についてですが、通常サラリーマンが老後に貰える年金は、2階建て構造になっています。

まず、全国民に共通する「1階部分」の国民年金。

次に、それぞれの給料額に比例して受け取る「2階部分」の厚生年金ですね。

ここにさらに、「3階部分」として年金額を上乗せするために、企業ごとに任意で設ける年金制度があります。それが「確定拠出年金」であったり、「確定給付年金」であったりする訳です。

 

企業年金の歴史と確定給付年金

ここで、企業年金の歴史について少し説明しますね。

企業年金は、もともと退職金を分割して支払えないかという所に端を発します。

企業にとって、社員の退職時に一度に退職金を支払うと、多額の資金が必要になりますね。それを分割して在職中に少しずつ積立てておくことで、企業は退職金を一度にまとめて支払わなくて済みます。その代わりとして利息に相当するお金をプラスして支払いますよー、というのが企業年金の始まりです。

その流れを汲んでいるのが、現在の「確定給付年金」です。

これは、「会社が積み立て」「会社が運用」「会社が給付」してくれる年金制度で、今後順次解散させる方針が決定している厚生年金基金も、この確定給付年金の一種になります。

この確定給付年金ですが、従業員にとっては、会社が全て勝手にやってくれますので、安心っちゃあ、安心なのですが、自分で資産の運用方法を決められないことや、自分の保有年金資産額がわからないなどのデメリットもあります。

また企業にとっても、運用利回りが予定を下回った場合、会社が損失補填をしなければならないというリスクがあります。

 

確定拠出年金とは

そこで、登場してきたのが「確定拠出年金」です。

確定拠出年金は、社員自らが投資信託などの運用商品を選択し、毎月積立てるお金を自分の判断で運用していく制度です。また会社が積立てる額に加算して、自らも掛け金を拠出することが可能です。

掛け金が非課税になったり、資産運用が成功すれば将来的に受け取れる額が、より大きくなるなど利用者にとってメリットもある制度ですが、その分、社員ひとりひとりに投資に関する知識が必要となり、運用に失敗すれば元本割れする危険性があるなどのデメリットもあります。

一方、企業にとっては、損失補填の義務がないことや、従業員の給料の一部を掛け金として拠出することで、厚生年金の保険料負担が削減できたりするなどのメリットがあります。

鳴り物入りで、01年より始まった確定拠出年金制度ですが、その後の不景気により加入者の半数以上が元本割れを起こすなど、一時期はそのリスクを危険視する声が広がりました。

ところがここ数年、アベノミクスによる株価の急激な上昇を受けて、再び確定拠出年金に注目が集まり始めたことで、企業が労使交渉で確定拠出年金の導入を提案しやすくなり、制度を導入する企業が増えてきたようです。

 

今後、最低限の資産運用知識は、誰もが必要になる

まあ、確定拠出年金の金融商品は、投資信託などの比較的リスクの大きいものだけではなく、定期預金など、元本保証型の商品もありますので、個人にあったものを選ぶことで、従業員自身も、毎月の資産額をハラハラワクワクしながら管理出来ますし、会社にとってもメリットが大きいので、導入が広がることは悪くないと思います。

ただ、良くも悪くも全て個人責任となることや、(一定の条件を満たさない限り)60歳になるまで積立金を引き下ろすことが出来ないなどの問題点も少なからず、はらんでいます。

しかしながら、自分の老後は自分で守らなければならない時代が、もうそこまで来ています。確定拠出年金の導入により、従業員さんが投資に興味を持ち、少し勉強してみようかというきっかけになるのであれば、それは結構良いことではないでしょうか。

 

老後貧乏にならないためのお金の法則

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