中国が主導するAIIBって何だ?
「よお、最近ニュースとかで話題になってるAIIBって知ってるか?」
「あれだろ? 石橋凌がボーカルしてた、めんたいロックの」
「それはARBな。ほんで古ィよ」
「じゃあ、あれだ。ユーキャンダーンス♪ ユーキャンダァーンス♪ って歌ってた、男二人、女二人の外人の」
「そりゃ、ABBAだ。いちいち古ィな。バンドで2回ボケるんじゃねぇよ」
「うーん、AIIB。。。あいいぶ。。。あいぶ。。。 ポッ」
「は? なんで顔赤らめてんの? バカなの?死ぬの?」
AIIBとは
えーと、このままだと正解はなかなか出ないようですので解説します。
AIIBとは正式名称をアジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank)といい、中国が提唱し主導する形で設立を目指している、アジア向けの国際開発金融機関の略称です。
現在までに、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国やインド、韓国、イギリス、ドイツ、ロシアなど50カ国にものぼる国々が「創設メンバー」として参加を申請、またはその意向を示しています。
一方現在、アジアにおけるインフラ整備のための資金ニーズに応える国際開発金融機関として、日米が中心となって運営するADB(アジア開発銀行)がありますが、ADBやIMF(国際通貨基金)での発言力の拡大がなかなか認められない中国が、業を煮やして
「ほんなら、俺らで作っちゃうもんね」
として、ADBに対抗する形で設立を目指しているのが、このAIIBです。
(ただ、表向きはADBで賄いきれない資金を補完的に支えることが目的としています。)
米国はAIIB設立に不快感を示す
AIIBは資本金のほとんどを中国が負担し、総裁ポストも中国から選ばれる見通しです。
多くの国がAIIBへの参加を表明する一方、日本とアメリカは「不透明な組織運営」など問題点を指摘し、参加の見送りを決定しました。
特に米国はAIIBの設立に関して不快感をあらわにしています。
なぜなら、IMFや世界銀行といった第二次世界大戦後の通貨金融体制は、米国が中心となって作り上げてきました。米国にしてみればAIIBは現在の金融秩序への看過することのできない挑戦であるからです。
また、米国の子分であり、ADBの歴代総裁を務めて来た日本としても、AIIBの設立について
「全く許せませんね、親びん!」
というわけです。
確かにAIIBについては中国主導の構想であり、「ジャイアンである中国がその圧倒的な力を利用し、自国の有益を追求する」ことが懸念され、運営の透明性についても疑問が残ります。
一方、AIIBに参加しないことで、アジア諸国でのインフラ関連ビジネスに期待をかけている多くの日本企業に圧倒的な不利とリスクをもたらす可能性もあり、米国の顔色をうかがいながらも、日本に取って不利益とならないための、非常に難しい綱引きが要求されています。
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