【風説の流布】株サイトへの書き込みで強制捜査!ところで占いもダメなの?
バブル期に株式相場を動かした仕手集団の元代表が運営するグループが、自身が運営するインターネットの株情報サイトで特定の企業の株価をつり上げる虚偽の書き込みを行い、株価操作を行うことで50億円を超える利益を得たとして、証券取引等監視委員会が「風説の流布」の疑いで強制調査に入りました。
どのような行為が問題とされたのか
ここで簡単に言葉の説明をしますね。
まず「仕手集団」とは、多額の資金を背景に、特定の銘柄に対して大量の買いを入れたり、売りを入れたりすることで、株の取引が活発に行われているかのように演じ、一般の投資家を誘い込み株価の急騰・急落を引き起こすことで利益を得るプロの集団のこと。
株式投資における「風説の流布」とは、ある特定の銘柄の株価を操作する目的で虚偽の情報を流すことです。
さて、今回の強制調査の対象となった元代表ですが、バブル絶頂期には、市場で大量の株式売買を行う仕手集団を率いて注目を集め「兜町の風雲児」などと呼ばれていたようです。
今回問題となったのは、4年前から3年前にかけて、当時、大証一部に上場していた化学メーカ「新日本理化」の株について、元代表が過去に仕掛けた仕手戦を例に挙げ、「同じような大相場になる可能性がある」と書き込んだことです。
これを見た人たちが、「すわっ!また仕手戦を仕掛けるつもりか」と受け取り、対象銘柄の買いに走ったため、最初の書き込みがあった翌日には株価がストップ高になったようです。
以下リンクがその問題となったコラムです。
具体的な銘柄は伏せられているものの、見る人が見れば「新日本理化」について言及しているのは明らかなようです。
「風説の流布」ってどっからが犯罪になるの?
ここで、ふと考え込んでしまいました。
どこまでが、言論の自由で、どこからが風説の流布にあたるのでしょう。
確かに相手を傷つけようとしたり、不当に利益を得ることを目的としてデマを流す行為は、れっきとした犯罪として今回のように罪に問われます。
ただ、この株取引に関する「風説の流布」事件を調べてみると、以下のような興味深い事件がありました。
1997 年 占い師事件
占い師 N は、ギャンブル情報誌において、独自に開発した「九星周期法」と名付けた占い法を使って三銘柄の株の推奨記事を執筆し、実際にこれらの株価が値上がりした。証券取引等監視委員会は、風説流布罪で N の事務所等を捜索 し、N を風説流布罪で東京地検に告発した。東京地検特捜部はNに対し、罰金 50 万円 の略式命令を下した。
うーん、占いもダメなの?
しかしこの場合、本当に占いが当たったのか、占いを信じた読者がその銘柄の株を買ったから結果的に株が上がったのかの判断が難しいですよね。
過去にはフジテレビの25時間テレビで、占い師の細木数子氏がライブドア堀江貴文社長と対談し、細木氏がライブドアを持ち上げながら、「ライブドアの最新の株価は427円ですよね。5倍になるわよ」と言い放ったことで週明けの株価が大きく上昇したということもありました。ただ、この件は別に問題視されていないようです。
また、大きくとらえれば、格付け会社なんかもその格付け次第で株価が大きく左右されるわけですし、株式情報サイトなどに書き込まれる「プロはこう読む!相場の行方」なんてコラムでも、株価が多少影響を受けたりするわけですよね。
なんかここまではOK、こっからはOUTっていう線引きが非常に難しい世界ですよね。
結局、偉い方々とのパイプと献金が重要なんでしょうか?
だれか詳しい人、教えて下さい。
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