大塚家具をめぐる、お家騒動が泥沼化
大塚家具の経営権をめぐる父と娘の対立が泥沼化しています。
大塚家具をめぐる、お家騒動の顛末
大塚家具は創業者である大塚勝久氏の「入り口で顧客に名前や住所を書かせて登録し、店員が付いて回る積極的な接客販売」戦略により、【結婚後のまとめ買い】などの需要を取り込む事で急成長しましたが、近年は住宅需要の低迷や、ニトリなどの安価な新興勢力の台頭により業績が低迷していました。
このため、2009年の株主総会で、勝久氏が会長に退き、後任に勝久氏の娘である久美子氏が社長に昇格しました。
新たに社長についた久美子氏は、従来の大塚家具の接客方法は利用客の心理的負担となり、客足を遠のかせるとして、カジュアルで気軽に入れる店作りを進めました。
それは、一代で大塚家具を築き上げた勝久氏にとっては「自己の経営方針の全否定」であり、我慢ならなかったようです。
不満を募らせた勝久氏は、昨年7月の取締役会で久美子社長の解任を発表、勝久氏が再び社長に就任します。
しかし、そのわずか半年後の今年の1月、久美子氏が再び社長に復帰。勝久氏を3月下旬の株主総会で解任することを決定しました。
それを不服とした勝久氏が、久美子社長を解任して自身を取締役にする案を3月の株主総会で可決するため、株主から議決権行使の委任状を集める考えを示しています。
久美子社長が行った改革とは
では、久美子氏が行った改革はそれほどまでにひどいものだったのでしょうか?
従来の勝久氏の、店員がべったりと張り付いて接客する方式は、確かに今の時代に即しているとは思えません。
ゆっくりと自分の気の向くままに商品を見たいのに、横でべったり店員に張り付かれて「あーだこーだ」言われるのは個人的には鬱陶しくてしょうがありません。
昔のように、インターネットもなく、店員から聞く情報が唯一のものであった時代とは違い、今の消費者は、ある程度の情報を自分で仕入れた上で、店舗に実際の商品のフィーリングを確かめにいくのです。本当に聞きたい事があるときだけ、店員を呼んで聞きますので、それ以外はそっとしておいてほしいのです。
また、久美子氏は、有名デザイナーとのコラボも行い、新しい商品開発にも積極的に取り組んでいます。
確かに売上自体は、久美子氏の社長就任からの数年、横ばいが続いており、目立った業績改善には、まだつながっていません。
これは、大塚家具が従来の高級路線をさらに磨いて、カッシーナ・イクスシーのようにブランド力を強めていくのか、それともニトリやIKEAなどのようにコストを重視した路線にポジションをとるのかが、明確に定まらず中途半端な立ち位置になっていることが原因だと思います。
しかしながら、従来の大塚家具のやり方が時代に即していないのは明白ですので、久美子氏の改革路線自体は間違っているとは、個人的には思いません。
老兵は静かに消え去るのみ
会見で自分の娘をさして
「悪い子供を作った」
とまで言い放った勝久氏。
そんな勝久氏には、堀場製作所の創業者である堀場雅夫氏が、会社が元気になる秘訣として語った次の言葉を聞いてほしいものです。
「大事なことは、前任の社長と年長の役員が新社長にいらんことを言わないこと。僕も引退してからは、たとえ経営に不安があっても一切、口を挟んだことはない。もちろん相談されればそれに応じるが、意思決定はすべて社長に任せる。そうしないと新社長が育たないし、部下も新社長と前社長を天秤にかけるようになる。」
ヒュー!堀やんカッコいい!!
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