【いまさらきけない】ピケティとは、誰?
「なあ、ピケティってどう思う?」
「え!? ぴ...ぴけてぃ? ...うん、まあ...。可愛いよね」
「可愛い?? お前そんな趣味あんの? あれだぜ、ほらフランスの」
「いやっ、可愛いっていうか、あー、フランスのやつね、そっちね!」
「うん、そう。で、どう思う?」
「ま...まあ、素朴なんだけど、癖になるっていうか」
「おー、何か深い言い方するねぇ!で、お前の意見は?」
「...結構、美味しいよね、サクサクして」
「...サクサク?」
「.........」
「やっぱやめよか、この話。なあ、雪見だいふく半分食う?」
「...うん」
さて皆さん、今年に入って一度は、このような恥ずかしくも甘酸っぱい思いをされたことがあると思います。(いや、無いし)
最近よく耳にするピケティという名前、何となくフランスの焼き菓子経済学者ってことまでは知ってるけど、じゃあ、どういう人?って聞かれると困ってしまう。
そんな人のために、本当にざっくりとですが、今日は「トマ・ピケティ」について見ていきましょう。
これを読めば、あなたも友人に「ピケティって知ってる?」って聞かれた時に、
「ああ、トマピね」と少しアンニュイに髪を搔き上げながら、浅野温子ばりに対応できること間違いなし!?
トマ・ピケティと『21世紀の資本』
トマ・ピケティ(Thomas Piketty)は1971年フランス生まれの経済学者。若干22歳で経済学の博士号を取得した秀才。
ピケティがこれほどまでに著名になったのは、2013年に出版された著書『Capital au XXIe siecle』(邦題:21世紀の資本)が、世界で累計100万部を突破する大ヒットを記録しているからです。ページ数にして700ページ以上、日本円で6千円近くする経済書の売れ行きとしては異例のものです。
ではこの『21世紀の資本』。どういうことが書かれているかというと、現在の資本主義のままでは
「金持ちはますます金持ちになり、貧乏人は一生貧乏のまま」
と身も蓋もないことが書かれています。
この著書の中の特徴的な公式として
r > g (r=資本収益率 g=経済成長率)
というものがあります。
これは、金持ちが投資や不動産などで働かずして得られる収益率(資本収益率)は、労働者が一生懸命働いて経済を成長させるペース(経済成長率)よりも大きいので、金持ちと貧乏人との差は広がる一方であるという主張を数式化したものです。
そこでピケティは、金持ちにもっと多くの税金を課して、格差を是正するべきだと提唱しています。そうすることで、経済成長にもっとも重要な役割を果たす中流階級層が増え、社会の競争力が活性化されると。
また、ある国だけで、金持ちに多く課税をすると、金持ちは、より税率の少ない国へ逃げちゃったりするので、全世界で協定を結んで「世界的な資産課税」をするべきとも述べています。
この本の凄いところは、こういった考えを単なる机上の空論ではなく、過去200年分以上もの膨大なデータにより分析し、主張の裏付けを行っている点です。実際ピケティは、この膨大なデータの収集、分析に15年もの歳月を費やしたということです。
ピケティの主張には賛否両論あるものの、名著ではある
このピケティの著書については、多くの経済学者や政治学者などが「素晴らしい」「傑作」と賛辞を贈る一方、「資本主義を誤って定義している」「考え方が甘い」と批判的な意見を述べている学者も少なからず存在します。
この書籍がこれほど爆発的に売れている要因として、本で書かれている内容がアメリカの中産・貧困層に強くアピールした点が挙げられます。
アメリカではまさに富裕層と貧困層の二極化が進んでおり、不満を抱えている層が「これこそが、俺たちの言いたかったことだ!」と共感したのです。
一方、日本においては、ピケティの主張は当てはまらない。とする意見もありますが、個人的には今後日本も二極化が進んでいくのではないかと思います。
まあ、ピケティの主張をどう捉えるかは個人によって異なると思いますが、『21世紀の資本』はデータブックとしても優秀で、所々に挿入される豆知識が面白かったりもします。
結構、値段も高く、専門的な本なのでお勧めはしませんが、ご興味のある方は一読されてはいかがピケ。
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