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社労士による時事ネタコラム

奈良の社会保険労務士事務所「よしだ経営労務管理事務所」の代表です。 このブログは、社会保険労務士および集客コンサルタントの立場から、日々のニュースで取り上げられた労働、雇用問題や法律についての解説をしたり、一般人としての立場から駄文を書いたりするコラムです。

残業代ゼロ制度は暗黒時代の幕開けなのか?

厚生労働省は6日の労働政策審議会で、時間ではなく成果に賃金を払うホワイトカラーエグゼンプション制度(いわゆる残業代ゼロ制度)の導入を柱とした、働き方改革の報告書を示しました。

 

世間では反対意見が半数以上

さて、この「残業代ゼロ制度」、ネット上などでは

「間違いなく悪用される」

「鬱になる人や、過労死する人が増える」

「年収一千万以上?はい、解散。」

「絶対にゆるさない!(37歳 ニート)」

「お代官様、もうこれ以上の年貢は出せねえですだ(45歳 農民)」

など、概ね反対意見で埋め尽くされています。

 

制度導入の目的

では、政府はなぜ、このような制度を導入しようとしているのでしょうか。

現在、日本の労働時間は国際的にみても長く、週49時間以上働く人は全体の22%に及びます。

一方、欧米諸国は10%強にとどまっており、1時間に生み出す価値を示す労働生産制が日本が40ドル程度なのに対し、米国やフランス、ドイツは60ドル、ノルウェーやルクセンブルクにいたっては80ドルと大きく水をあけられています。

さらに、急速に進む少子高齢化で、日本の労働人口は2030年までに、現在より約900万人減ると予想されています。労働力の減少を補うために、今より労働時間を増やすと、家庭がおろそかになり少子化にさらに拍車がかかったり、それこそ鬱になったり過労死する人が増える恐れがあります。

そこでどうするかというと、もっとメリハリのきいた効率的な働き方を広げて、労働者1人当たりの生産性を上げるしかない。ということのようです。

(青字部分は、日本経済新聞の記事を参考にしました。)

おそらく、この内容に噓偽りはないと思います。

巷で言われているように

「さあ働け!働け!死ぬまで働けーっ!!

 天帝様は暗いのがお嫌いじゃ〜っ!!」(世紀末)

なんていう暗黒世界を作りたいわけではないと思います。

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©原哲夫・武論尊/集英社 

 

「ダラダラ残業」は、ありまぁす!

確かに、今の日本は「ダラダラ残業」という悪癖が常態化しているような気がします。

私も社労士になる前は10年ほどメーカでエンジニアとして働いていましたが、入社一年目に課長に呼ばれてこう言われたことがありました。

「ヨシダ君、ちょっと」

「はい、なんでしょう」

「君はいつも定時で帰っているけど、そんなんでいいの?残業したほうがいいよ」

「あの、何か仕事に遅れが生じたり、問題がありましたでしょうか?」

「いやいや、仕事はきっちりしてくれてるし、特に問題はないけど」

「はあ、じゃあなぜ残業したほうがいいんですか?」

「いや、周りの人で、あいつは何でいつも定時に帰ってるんだとか、いろいろ言う人もいるみたいだし、形だけでも残業してるふりしたほうがいいよ」

「ちょっと何言ってるかわからないです。お疲れさまでーす!(キュピーン)」

まあ、今思えば新人のくせに糞可愛げのないやつですが、こういったことが管理職の口から出てくることに驚きました。

また、業務中によく雑談をしてくる先輩がいました。一度話しかけられると、そこから最短でも30分は離してもらえません。

一度、先輩に「あのー、お仕事しなくても大丈夫ですか?」

と聞いたところ

「あー、おれ定時以降にならないと仕事のスイッチ入らないんだわー。残業タイムになってからの方が仕事に集中できるねん。」

と言われ、ほんまにこの会社大丈夫かいな!?と不安になったことがあります。

 

まあ、ここまで極端な例でなくても、一生懸命仕事をしていても、同じ仕事を終わらせるのに3時間でできる人もいれば、8時間かかる人もいます。

企業にとってはどちらが良い社員かといえば、もちろん3時間で仕事を終わらせられる社員です。

同じ値段で処理速度が倍以上違うパソコンがあったなら、みなさんも絶対、処理速度が高いパソコンを選ぶでしょう。

しかし今の日本の働き方では8時間かかる人のほうが残業代を多くもらっているのが現状です。

 

一番重要なのは導入目的を間違えないこと

少し前、日本企業でも、勤務時間よりも成果に重点をおいた賃金制度が流行しましたが、結局うまくいかなかった経緯があります。

これは、制度導入の本来の意味を取り違えて、人件費削減の口実として利用されてしまったことが一番の原因です。

今回の制度についても同じような道をたどれば、ただの改悪となってしまうでしょう。

また、能力も十分にある人が毎日死ぬ気で仕事をしているのに、残業がなくならないという会社も存在します。そういった会社が、残業代削減のために今回の制度を悪用するのは論外です。まず、仕事の割り振りの見直しと、人材の補充などの対策をとり、きちんと仕事をすれば定時内で終われる仕組みを作ることが先決です。

 

ネットにあふれる専門家による反対論に疑問

一般の方々が、今回の制度について「反対」意見を出されるのは全然いいのですが、いわゆる専門家と呼ばれる人達が、ネットなどで「絶対、反対」と声高に叫ばれているのに少々疑問を感じます。

もちろん、反対という意見ついては、大いに納得できる点もあり問題ないのですが、日本が現在、上記に述べたような問題を抱えているのは事実です。

専門家である以上、反対というからには、その問題を解決するための代替案くらいは提案するべきなんじゃないの?と思ってしまいます。

こんなことを言うとまた

「企業の犬の社労士!死ね死ね!」

とか言われちゃうんやろなー。

ごめんなさい、本当にごめんなさい!

 

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