有給休暇5日を消化義務化。でも、なんかおかしい
厚生労働省は2016年4月から、社員に年5日の有給休暇を取らせることを企業に義務付ける方針を固めました。
日本は欧州諸国などと比較して有給の取得率が低く、それを改善することが狙いとのこと。
単純に有給が取りやすくなるわけではない
やったー、これで有給が取りやすくなる!と喜びの声が聞こえてきそうですが、でもこの制度、そう単純でもないんです。
この5日間の有給休暇ですが、自分で好きな時に取れるわけではなく、会社が有給日を指定できることになっています。
例えば、今まで年10日程度有給を取得していた人の場合、その半分の5日間を、自分の好きな日ではなく、会社が指定した日に休まなくてはいけないのです。
これまでと同様に、自分の好きな日に10日休んで、さらに新制度による5日間の消化義務日を合わせて、年間の有休取得日が15日に増えた!となればいいのですが、なかなかそうはいかないのではないでしょうか。
周りの目もあるし、自分の好きな日に休むのは5日に抑えて、合計の有給取得日数は今までと同じように10日前後に抑えよう。。。となってしまうのが日本人の悲しいサガです。
取得率の改善につながるかどうかが鍵
確かに、現在でも「有給休暇の計画的付与」といって、全有給日数のうち、年5日を超える部分については会社が計画的に日程を定めて付与できる制度が存在します。
実際にこの制度を導入している企業は、導入していない企業よりも有給取得率が8.6ポイント高いというデータもあり、うまくいけば今回の制度導入により同様の効果が得られるかもしれません。
また現在、病気をした時とか、冠婚葬祭の時くらいしか有給を取れない、といった会社で働かれている方については、会社が指定した日といえ、年5日も通常日に有給がとれるのは嬉しいでしょう。
一方、日本の平均値である年10日程度有給を取得していた方々については、そのうちの半分を会社により強制的に決められた日に消化しなければならなくなり、改悪と思われる方もいるでしょう。
ただ疑問なのが、どうして「従業員に最低でも有給10日(好きな日に)消化させることを企業への義務とする。違反企業には罰則の適用!」といった単純な図式に出来ないのかということです。
まあ、経団連などからの反発もあり、政治家の先生達も妥協案を探るしかなかったというところでしょうけど!
おや、誰か来たようです。。。
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